今までの腫瘍マーカーの限界
腫瘍マーカーを調べても高くてもがんでなかったり、
正常範囲内でもがんであったりしたことはないですか?
腫瘍マーカーは特に早期発見には有効ではなく、
ステージ4のがんでも正常範囲内のこともあります。
がんがあった時に腫瘍マーカーが上昇する人は、
再発や治療時の病勢評価に役立ちますが、
元々上昇が見られなかった人の場合は、
あまり役に立ないことが多くなります。
そのため、もっと正確に診断や治療効果の判定ができる
マーカーの開発が求められていました。
マイクロRNAが正確で早期の診断・治療効果判定を可能にする
最近、血液中にあるマイクロRNAという体の中で情報伝達を担っている核酸が、
がんの増悪や転移と関係することがわかりました。
この性質を利用すると、
大腸がん、胃がん、食道がん、膵がん、肝がん、胆道がん、
肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がんといった
がんの早期発見ができるようになると考えられています。
さらに
RNAは腫瘍細胞やタンパク質である腫瘍マーカーより前にできる物質であるため、
CTや腫瘍マーカーの血液検査よりも早期の段階で
がんの検出ができる可能性が高いと言われています。
マイクロRNAはわずか1滴の血液で測定できる
マイクロRNAは、他の核酸検査(DNAやRNA)と同じように
ごくわずかな量な検体(血液など)で検査ができます。
そのため、血液中のマイクロRNAを調べるには
わずか1滴の血液で可能と言われています。
最後に
現在の腫瘍マーカーは、
診断精度(特に早期診断)や再発有無の評価、治療効果の判定に
限界がありました。
そのため様々な研究がなされ、
より正確で簡便で、より早期に診断ができるマーカーである
マイクロRNAが発見されました。
実用化に向けて数年前から動き出しており、
もうすぐ実用化できるのではないかと言われています。
わずか1滴の血液から高い精度でがんを検出することが可能になる時代。
そのような時代がすぐそこまで来ています。