Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【もうすぐ到来】わずか1滴の血液でがんの有無が分かる。血液でがん検診を行う時代。

 

 

今までの腫瘍マーカーの限界

 

腫瘍マーカーを調べても高くてもがんでなかったり、

正常範囲内でもがんであったりしたことはないですか?

 

腫瘍マーカーは特に早期発見には有効ではなく、

ステージ4のがんでも正常範囲内のこともあります。

 

がんがあった時に腫瘍マーカーが上昇する人は、

再発や治療時の病勢評価に役立ちますが、

元々上昇が見られなかった人の場合は、

あまり役に立ないことが多くなります。

 

そのため、もっと正確に診断や治療効果の判定ができる

マーカーの開発が求められていました。

 

 

マイクロRNAが正確で早期の診断・治療効果判定を可能にする

 

最近、血液中にあるマイクロRNAという体の中で情報伝達を担っている核酸が、

がんの増悪や転移と関係することがわかりました。

 

この性質を利用すると、

大腸がん、胃がん、食道がん、膵がん、肝がん、胆道がん、

肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がんといった

がんの早期発見ができるようになると考えられています。

 

さらに

RNAは腫瘍細胞やタンパク質である腫瘍マーカーより前にできる物質であるため、

CTや腫瘍マーカーの血液検査よりも早期の段階で

がんの検出ができる可能性が高いと言われています。

 

 

マイクロRNAはわずか1滴の血液で測定できる

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マイクロRNAは、他の核酸検査(DNAやRNA)と同じように

ごくわずかな量な検体(血液など)で検査ができます。

 

そのため、血液中のマイクロRNAを調べるには

わずか1滴の血液で可能と言われています。

 

 

最後に

 

現在の腫瘍マーカーは、

診断精度(特に早期診断)や再発有無の評価、治療効果の判定に

限界がありました。

 

そのため様々な研究がなされ、

より正確で簡便で、より早期に診断ができるマーカーである

マイクロRNAが発見されました。

 

実用化に向けて数年前から動き出しており、

もうすぐ実用化できるのではないかと言われています。

 

わずか1滴の血液から高い精度でがんを検出することが可能になる時代。

そのような時代がすぐそこまで来ています。

 

 

 

 

 

 

 

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