大腸がんは、大腸カメラとCTでほとんど治療方針が決まります
大腸がんの検査を受けたいけれど、
仕事が忙しくて、検査を受ける時間もないという方はおられますか?
一方で検査を受ける時間はあるけれど、
「がんがあった場合に、色々な検査を行うことになるから嫌だ」と考えて
検査を敬遠されている方はいないですか?
実は大腸がんの検査は、大腸カメラとCTの
たった2つの検査を受けてもらえれば、
ほとんど場合は治療方針が決まります。
施設によっては大腸カメラを行った後にCTをとって
大腸がんがみつかったその日のうちに
治療方針が決定します。
それは何故でしょうか?
大腸カメラは、観察だけでも大腸がんの診断率が非常に高い
理由の1つは大腸カメラ。
この検査は大腸がんを非常に高い確率で発見することができ、
同時に非常に高い確率で診断することができます。
手術が必要な大腸がんであれば、
カメラで観察しただけで「がん」とわかるケースがほとんどです。
通常、念のために細胞を一部とって顕微鏡で確かめますが、
この結果は1週間くらいかかってしまいます。
しかしカメラで手術が必要な大腸がんであると判断したものが、
顕微鏡でみた検査の結果でがんでなかったケースは稀であり、
カメラで観察した段階で大腸がんと診断して良い場合がほとんどです。
ただし例外があるので、
「大腸がんの可能性が高いです。
今回細胞を一部もらっているので顕微鏡でみる検査の結果を待ちましょう。」
と言って結果をお伝えするのを待ってもらうことがあります。
造影剤を使用したCT検査でがんの広がりがほとんどの場合わかる
理由の2つ目は、
大腸がんの場合は、CT検査でがんの広がりがほぼわかることです。
大腸がんは、手術が可能であればまず手術を行うのが良いですが、
手術ができるかどうかについて
がんの広がりをみることが大切です。
大腸がんはまずはリンパ節や肝臓や肺に転移するため、
造影剤という薬を使ってCTを撮影すると、
「がんの広がり」がよくわかります。
すると、
・がんを取り切る手術(根治手術)を行おう。
・大腸がんの部分(原発巣)だけ切除して、その後は抗がん剤を行なっていく。
などの治療方針が決めることができるようになります。
ただ腎臓の機能やアレルギーなどがあり、造影剤を使えないと
肝臓への転移の有無を調べるのに対しては
腹部エコーやMRIなどで代用することになり、
この場合は検査が少し増えてしまいますが。。。
最後に
大腸がんは、大腸カメラとCTの検査の2つの検査で
ほとんどの場合は治療方針が決められます。
施設によっては1日で終わります。
大腸がんが40歳以上から増加することを考えると、
働き盛りの人も罹患することが多い病気です。
お仕事はお忙しいとは思いますが、
今後もお仕事を続けるためにも
1〜3年に1回は大腸カメラのために仕事を休んでみませんか?
仮に大腸がんがみつかっても、その後はCTを行えば今後の方針が決定できます。
今回の記事が、仕事で忙しくて大腸カメラを敬遠していた人に届き、
大腸カメラを受けるきっかけになれば幸いです。