Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【重要】大腸がんになる原因と、考えられる機序。そして予防法について紹介します。

 

 

はじめに

 

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大腸がんは何故できるのでしょうか?

 

遺伝的に出来やすい人もいますが、

数としては少ないです。

 

つまり、

遺伝子以外のこと(食事や生活習慣)が

原因であることが多いとされています。

 

今回は大腸がんの原因として

考えられるものを書いていきます。

 

 

大腸がんの原因

 

現在、大腸がんの原因として考えらているものは以下に挙げます。 

 

加齢

 

年齢別にみると、大腸がんが発見される割合は、

40歳代から次第に増え、高齢になるほど高くなっています。

 

 

食生活の欧米化

 

食生活が欧米化によって、以下のものが増えています。

赤肉(牛、豚、羊の肉)

・加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)

 

また同時に食物繊維の摂取量が減ってきています。

 

その結果、大腸がんになる人が増えていると考えられています。

 

 

飲酒

 

飲酒量が多いことも大腸がんになりやすくすると言われてます。

 

 

肥満

 

肥満大腸がんの危険因子とかなり有名です。

 

 

慢性炎症が起こり、大腸がんできる

 

どうして上記のようなものが、がんの原因となるのでしょうか?

 

大腸がんに限ったことではないですが、

がんができる機序の1つとして

慢性炎症によるものが考えられています。

 

炎症は体の内側からのストレスや、外側からのストレスで体がダメージを受けると

それを修復するため(防御反応)として起こります。

 

例えば、傷に細菌が感染すると、

細菌を取り除こうとして免疫細胞と細菌の間に戦いが起こります。

 

その結果、

熱くなったり、赤くなったり、痛みが出たり、腫れたりなどの症状が現れます。

 

これが炎症です。

 

短期間であれば

それを修復するために細胞内の遺伝子がうまく働いて

問題なく治ることが多いです。

 

しかし長期的に続く(慢性炎症になる)と、

何度も修復が繰り返されるため、

上手く修復できず、遺伝子が傷つきます。

 

その結果、正常な顔つきをしていた細胞が

次第にがん細胞の顔つきになってきます。

 

赤肉、加工肉、飲酒、タバコには、発ガン性物質が含まれており、

これが炎症を起こすと言われています。

 

 

細胞ががん化し、大腸がんとして認識できるまでに10年以上かかる

 

実はがん細胞は、

おおよそ10〜20年の時間をかけて10億個くらいまでに成長し、

そこではじめて約1cmのがんになります。

 

さらに大きながんになって命を脅かすような大腸がんになるには

そこから基本的には数年かかります。

 

 

大腸がんの予防法

 

上記のような原因と経過が考えられるため、

大腸がんの予防としては以下のようなものが考えられます。

 

・40歳以上になったら、定期的に大腸カメラを受ける。

・赤肉や加工肉の摂取を可能な限り避ける。

    食べる場合には産地が明記されているものとし、

    添加物ができるだけ含まれないものを選ぶ。

・白米を五穀米などにしたり、野菜の割合を多くして食物繊維の摂取量を増やす。

・お酒は飲み過ぎない。

定期的に運動をする。

・運動だけでなく、食事摂取量も調節して体重をコントロールする。

 

 

最後に

 

現時点で大腸がんの原因として考えられているものについて

紹介させて頂きました。

 

しかし今はまだわかっていないだけで、

これ以外にも原因はあるかもしれません。

 

もちろん食事や運動などの生活習慣は非常に大切であると考えますが、

これだけでは大腸がんになる可能性を下げても

絶対にならないとは言えないです。

 

そのため、やはり40歳になったら

定期的に大腸カメラを受けることをお勧めします。

 

また生活習慣が荒れている、上記のような原因で当てはまる部分がある方は

より大腸がんになりやすいと考えられますので、

よりしっかりと定期的に大腸カメラを受けることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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