Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【一生懸命働くだけではNG】若い頃だけでなく、老後の生活も豊かにする運動習慣【健康/筋肉/若返り/社会との繋がり/働き方改革】。

「一生懸命働いて、一生懸命稼げばきっと豊かな老後の生活が待っている。」

 

上記のように信じて、働き盛りの時に仕事だけを頑張った結果

豊かな老後を送ることができた人がどの程度いるでしょうか。

 

「こんなに幸せに過ごせましたよ。」という方は

あまりみかけないですよね。

 

それどころか、かえって色々な生活習慣病にかかり、

動脈硬化で血管はぼろぼろになったり、

血管が詰まったりして後遺症が残る。

またはそのまま亡くなられてしまう人もいます。

 

このような重篤な状態にならなくても

体重が増えすぎていて足腰に負担がかかりって膝を痛めたり、

老後に始めようと考えていた趣味も始めることができず、

「こんなはずではなかった」という例を実際によく見かけます。

 

運動ができないことによって、外出もままならなくなり、

筋力がどんどん衰えていって、さらに筋力が低下していく。

そして生きていくのが辛くなる。

 

このような悪循環に陥ってしまうからです。

 

ではどのようにすれば、

より幸せな老後を送ることが出来るのでしょうか。

 

 

若い頃からの運動習慣が大切

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歳をとってから急に運動を始めても上手く続かないことが多いです。

何故でしょうか?

 

それは心肺機能を中心としたあらゆる内臓機能が低下しているからです。

そのため、「若い頃には何ともなかったのに、少し動くだけで苦しい。

こんなに苦しいなら、もう止めたい。」と感じてしまうかです。

 

実際に私も何度か運動習慣を断念せざるを得なかったことがありますが、

歳をとってから運動再開した時の方が、遥かに大変だったのを覚えています。

 

また上記の年齢による体の衰えに加えて、体重の増加も加わることが多いです。

そのため足腰に負担をかけやすく、特に筋力が低下している時に

体の弱い部分を支えることができなくて怪我することが多いです。

 

以上から、歳をとってからではなく、

若い頃から運動を行う習慣をつけることが大切であると考えます。

 

特に30歳〜40歳代の働き盛りの頃が大切です。

この時期を過ぎると、運動を始めても辛くなることが多く、

それにより運動することを止めてしまう人が多くなると感じています。

 

体を鍛えるレベルの運動ができればより良いですが、

少なくとも体重をコントロールできるレベルでは

運動を継続できる習慣をつけることをお勧めします。

 

 

運動を続けることで得られるメリット

 

運動を続けることには以下のようなメリットがあります。

  

筋力がつくことによって、長生きできるようになる

 

最近、医学の世界でも筋力が多いほど、

がんなどの病気になっても長生きできると言われています。

 

逆に筋力が少ないと、

抗がん剤などの治療をしていても副作用が強く出現しやすいとも言われています。

 

これらのことから、

運動をして筋力をつけるだけでもメリットがあることがわかります。

 

 

社会との繋がりがより強くなる

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運動をしていると、運動を通して様々な人と知り合いになる機会が増えます。

 

人間は病気になって療養しなくてはならなくなったときに1番辛いのが、

「社会から切り離されること」とも言われています。

 

うつ病などで仕事ができなくなって遊んでばかりいるように見える方がいると

「仕事しなくて良いよなあ」というように考える方がおられますが、

実は当事者は「仕事ができなくて(社会から切り離されて)辛い」と

感じていることが多いです。

 

それだけ私たちにとって、社会とは特別なものだからです。

より幸せを感じるためには、社会との繋がりは必須のものと考えられます。

 

仕事だけをしていると、仕事が終わった時に社会との繋がりが完全に切れて

生きる希望を失う方がおられます。

 

そうならないように、仕事以外で社会と繋がれるように

若いうちから準備していきましょう。

若いうちから運動をすることがそれを強力にサポートしてくれます。

 

 

日々の生活に余裕ができる

 

そうは言っても「運動をすると疲れてしまって仕事をする気になれない。

と感じる人はいるでしょう。

 

確かに始めのうちは、そのように感じます。

しかし慣れてくれば、筋力があることで仕事中も疲れにくくなり、

姿勢も安定してパフォーマンスも向上します。

 

逆に今できないのであれば、歳をとってからはもっと大変に感じるようになり、

もっと出来ないようになります。

 

さらに運動をしなかったことで、

既に生活習慣病を発症してしまっていることもあるでしょう。

 

このような悲しい事態にならないためにも

若いうちから運動をすることをお勧めします。

 

 

若返ってみえる

 

運動をすると筋肉がつき、姿勢が良くなり、

食事を食べている割には太りにくくなります。

それは筋肉をつくるのに体がカロリーを消費し、

余ったエネルギーもグリコーゲンとして筋肉の中に蓄えられるようになるからです。

 

もちろん必要以上に食べ過ぎると太るので、注意は必要ですが。

 

姿勢が良くなっただけでも若返ってみえることはありますが、

そこに筋肉がつくとさらに姿勢が安定します。

 

また「筋肉は1枚目の衣服である」とも言われるように

見た目も格好良くなります。

 

さらに運動を続けていると、段々と痩せてくることが多いので、

顔を中心に余計な脂肪が少なくなります。

 

これらにより若返って見えるようになります。

その差は、運動していない人と比べて明らかであり、

運動している40歳くらいの知り合いが同窓会に行った時に

20歳代に見られたという話をききました。

 

写真を見せてもらいましたが、周囲とは明らかに違い、

確かに1人だけとても若くみえました。

 

 

最後に

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30歳〜40歳代の働き盛りの頃に運動が続けることができていれば、

その勢いで50歳になっても運動は継続しやすいですし、

老後も運動を続けてより元気に暮らせる可能性が高くなります。

 

その結果、健康も維持しやすくなります。

また色々なことを始めるエネルギーの余裕もでき、

より豊かな老後の生活を過ごすことができるでしょう。

 

そればかりか若返り、より長く生きることができると考えられます。

 

どうせ運動するなら、若い頃から。

運動する気がなくても、若い頃から運動を始めることを

お勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

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