Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【重要】この症状なら、まず何科に行けばいい?困った時の道標(その1:痛み)

 

  

はじめに

 

ある症状が出て病院で診てもらいたいのだけれど、

「何科にかかたら良いか分からない」ということはありませんか?

 

一般の方はもちろんのこと、

実際には救急隊や医療スタッフからも上記のような質問を受けることもあります。

 

そのため、症状ごとにまず最初に何科にかかるのが良いかを

以下にまとめていきたいと思います。

 

 

この症状なら、まず何科にいけば良いか。

 

「この症状なら、どのような疾患が考えられるか」で決まります。

 

まずは緊急性のある疾患。

次に頻度の高い疾患を考えて

まず最初にかかるべき科を決めるのが良いと考えます。

 

そうは言ってもわからないと思いますので、

最短で診断や治療につながるように

「症状ごとにどこの科へ行けば良いか」を例示していきます。

 

専門科の存在や、専門外来の有無については地域差がありますので、

ここでは特別な専門外来がない地域を前提にして書いていきたいと思います。

 

また全ての症状について書くと膨大な量になるので、

今回は痛みについて書きます。

 

頭痛

f:id:good-life-good-health:20190527105431p:plain

・何時何分何秒に頭痛が起きたかわかるような激しい痛みの場合

    → 脳血管外科へ行きましょう。

・普段からよくある痛み

    →内科へ行きましょう。

 

眼痛

 

眼科へ行きましょう。

 

歯の痛み

 

歯科へ行きましょう。

 

喉の痛み

f:id:good-life-good-health:20190527105618p:plain

耳鼻科へ行きましょう。

・耳鼻科がなければ、呼吸器内科あるいは内科へ行きましょう。

 

顎の痛み

 

・胸痛や呼吸困難やめまいを伴う。

    →循環器内科へ行きましょう。

・上記症状がない場合。

    →耳鼻科へ行きましょう。

 

肩の痛み

 

・胸痛や呼吸困難やめまいを伴う。

    →循環器内科へ行きましょう。

・上記症状がない場合。

    →整形外科へ行きましょう。

 

胸痛

 

・胸の真ん中が押しつぶされるように、あるいは締め付けられるように痛い。

    →循環器内科へ行きましょう。

・胸の痛みが移動する場合。

    →循環器内科へ行きましょう。

・痛みがある部分は指で指し示すことができる。

    →動いた時に痛いなら、整形外科へ行きましょう。

        動かなくても痛いなら、呼吸器内科へ行きましょう。

・食後に胸の痛みがするならば、

    →消化器内科へ行きましょう。

 

みぞおちの痛み(心窩部痛)

 

・分単位で症状が悪化する。

    →循環器内科へ行きましょう。

・上記以外の場合。

    →消化器内科へ行きましょう。

       具体的に考えられる状況を以下に挙げます。

       ・お腹を軽く押すと痛い、お腹が硬い、歩くとお腹にひびく

       ・食後にお腹が痛い

       ・空腹の時にお腹が痛い

       ・数日以内にお腹の右下へ痛みが移動した

 

腹痛 

f:id:good-life-good-health:20190527105529p:plain

・脇腹から下腹部にかけ痛みが移動した。

    →泌尿器科へ行きましょう。

・下腹部の痛みで、妊娠しているかもしれない。

    →産婦人科へ行きましょう。

・性交渉の時に、下腹部が痛い。

    →産婦人科へ行きましょう。

・上記以外の腹痛

    →消化器内科へ行きましょう。

 

腰痛・背部痛

・頭や足側に移動する激しい痛み。

    →循環器内科へ行きましょう。

・体を動かした時に痛い。

    →整形外科へ行きましょう。

・体を動かした方が楽、あるいは何もしていない時に痛い。

    →泌尿器科へ行きましょう。

 

関節痛

 

・関節を動かした時、あるいは体重を乗せた時に痛い。

    →整形外科へ行きましょう。

・上記以外の場合は、内科へ行きましょう。

 

四肢の痛み

 

・体を動かした時、あるいは体重をかけた時に痛い。

     →整形外科へ行きましょう。

・上記以外の場合は、内科へ行きましょう。

 

皮膚の痛み

 

皮膚科へ行きましょう。

 

 

最後に

 

「痛みがある時に、まずどこの科に行けば良いか」

について書いてみました。

 

ただし、かかりつけの医師がいる場合は、

可能であれば、まずかかりつけ医師を受診しましょう。

 

なぜなら

もともとの病気が関係しているケースが多く、

そうでなくても前情報があった方が正確な診断をしやすくなるからです。

 

以上により、より多くの患者さんが

より安全でより早く的確な診断と治療を

受けられるようになることを願っています。

 

 

 

 

スポンサーリンク