Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【重要】歌丸師匠も苦しめた本当に怖い喫煙(タバコ)の話。

 

 

はじめに

 

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Ralf KunzeによるPixabayからの画像

 

タバコを吸っていると周囲に注意をされることが多いですよね。

それでストレスがたまり、

タバコを吸うとストレスが軽減されたように感じる。

だからタバコを吸い続ける。

 

これによって「周囲のタバコを否定する人嫌い。タバコ好き。」

という構図ができてしまい、

タバコに対する愛が深くなり、タバコを求め続けてしまう。

 

ニコチン依存も一緒になり、

タバコをやめられなくなる。

 

でも本当にそれで良いでしょうか?

 

どれだけ体が悪くなっても

「俺は死ぬまでタバコを吸い続ける。」

と主張する方がおられますが、

本当にそれは可能なのでしょうか。

 

今回はタバコを吸い続けた結果、

患者さんたちに起きたことと、

そこから学ぶべきことについて書いていきます。

 

 

タバコを吸い続けると、空気が吸えなくなる病気になる

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タバコには発がん物質が多数含まれており、

肺がんになるリスクを上げることが有名です。

 

しかしそれ以外のことはあまり認識されておらず、

タバコを吸い続けて体を悪くする方が多いです。

  

喫煙をすることで、

息がまともに吸えなく病気にかかります。

進行していく。

 

最終的には

タバコだけでなく、空気も吸えなくなる。

そしてそれが原因で亡くなります。

 

時には肺がんや気胸(肺に穴があく病気)を合併します。

 

このようなことを知らないため、

「喫煙しなければ良かった。」

「もっと若いうちに、タバコを吸うのをやめればよかった。」

と後悔する人が後を絶ちません。

 

 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)でまともに息が吸えなくなる

 

タバコでまともに息が吸えなくなる病気として

有名なのが、COPDです。

 

最近で言えば、

桂歌丸さんがCOPDであったことが

ニュースで取り上げられていました。

(引用:https://www.sankei.com/life/news/180713/lif1807130006-n1.html

 

この病気になる人の90%が

喫煙している人、あるいは喫煙していた人です。

 

これは進行していく病気です。

 

酷くなると、

少し歩いだけで息が上がって歩けなくなり、

最終的には動くことも辛くなります。

 

さらに進行すると、酸素をつけての生活になります。

 

中々上手く呼吸ができないので(特に息を吐きにくくなるので)、

呼吸するのに多くのエネルギーが必要となり、

やせ細っていきます。

 

次第に呼吸するための筋力も低下し、

呼吸で必要な酸素を取り込めなくなり、

最終的には、亡くなられます。

 

 

年齢・喫煙量が増えるほどCOPDになりやすい

 

COPDは前述の通り、進行する病気であり、

最終的には息がまともに吸えなくなります。

 

その結果、

日本では死因の第10位となっており、

病院で見かけることが非常に多い病気です。

 

では実際、どのような人に多いでしょうか。

 

年齢や喫煙に暴露した(受動喫煙も含む)量とともに増加し、

高齢者では約50%にCOPDが認められるとされています。

 

さらに

(1日に数タバコの本数)✖️(年数)が1200以上になるような重喫煙者は、

約70%にCOPDが認められるとされています。

 

つまり、高齢でヘビースモーカーほどなりやすい、

ということになります。

 

 

喫煙歴があれば、COPDになり得る

 

それでは今タバコを吸っていなければ、

COPDにならないのか。

 

実は、「昔タバコを吸っていた」

というだけでCOPDになる可能性があります。

 

それでは「今さらタバコをやめても変わらない。」

と考えるかもしれません。

 

しかしタバコをできるだけ早くやめることによって

COPDになっていたとしても

その後の進行を遅くすることができます。

 

その上で吸入薬を使うことによって

さらに進行を遅くすることができると言われています。

 

そのため、まずは出来るだけ早期に禁煙することが重要です。

 

 

受動喫煙もCOPDのリスクになる

 

喫煙している人だけでなく、

その吐き出された煙を吸っている人もCOPDになり得ます。

 

特に喫煙習慣のある人と同居されている方、

職場で常時タバコの煙に曝されているような方は、

リスクが高いです。

 

 

最後に

 

タバコを吸い続けると

最終的には具合が悪くなって、タバコを吸えなくなる。

 

そればかりか空気もまともに吸えなくなって

その結果、息苦しく、辛い思いをされて亡くなられる方が多いです。

 

タバコによる弊害は、何もCOPDだけではありませんが、

COPDだけでも十分にタバコをやめる理由にはならないでしょうか。

 

タバコの怖さはまだまだ一部しか語られていません。

しかも吸ってすぐにはわからないことがほとんどです。

 

「あなたは、タバコを吸うことを諦めますか。

それとも、空気を吸うことを諦めますか。」

 

あなたの体のために、

そしてより満足できる人生のために、

できるだけ早期の禁煙を勧めます。

 

 

 

 

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