Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【西洋医学の限界】風邪薬は風邪の症状を和らげる効果があるが、風邪自体は治らない。

風邪になったら、風邪薬をもらいに病院に行く。

しかし病院で薬をもらったけれど、

症状は何となく良くなった気がするが、中々良くならない。

 

このような経験をされたことないですか?

 

それもそのはず。

風邪薬は「風邪自体を治す薬ではない」のです。

 

今回は一般に使われている風邪薬について

その薬の内容と効能を中心に書いて行きたいと思います。

 

 

 

風邪とは

 

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風邪とは、ウイルスによって喉の周囲の臓器を侵し、

短期間のうちにそれらの臓器の炎症に伴う症状が

出現する病気のことです。

 

ウイルスは、細菌より周囲に広がりやすい性質をもつ

とされています。

 

そのため、典型的な風邪では、

1〜2日間のうちに喉の痛み・鼻水・咳の症状が出現します。

それも同程度の強さで。

 

もしこれらの症状の中で、1つだけ症状が強い時は、

風邪ではないかもしれないので

医師に相談してみましょう。

 

 

風邪薬とは

 

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では風邪薬とは何でしょう。

風邪薬に入っている成分を確認してみましょう。

 

市販薬をはじめ、病院で処方される総合感冒薬には、

風邪の症状を抑えるための薬が入っています。

 

例えば、病院でよく処方されている「ぺレックス」という薬には、

次のような成分が入っています。

 

これには喉の痛みを抑えるために、鎮痛剤としてアセトアミノフェン。

鼻汁を押させるために、抗ヒスタミン作用のあるクロルフェニラミン。

頭がぼーっとするのを改善する、カフェイン。

熱を下げるために、サリチルアミド。

 

以上からわかるように、

風邪薬には、原因となるウイルスを撃退する薬は入っていません。

 

つまり、現在の西洋薬の風邪薬は、

風邪自体を治す薬ではありません。

少しでも辛い症状を和らげるための薬です。

 

 

ウイルスを撃退する薬はあるのか

 

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ウイルスを撃退する薬はあります。

ただし、西洋薬では対象となるウイルスは限られています。

 

単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、

サイトメガロウイルスがその代表です。

 

これらのウイルスであれば、

西洋薬の薬で根本的な治療が期待できます。

 

しかし風邪の場合、

これら以外の多数のウイルスによるものが原因とされています。

 

そのため、西洋薬での根本的な治療は

現段階では困難です。

 

 

風邪はどのようにして治るのか

 

それでは風邪はどのようにして治るのでしょうか。

 

私たちの体に元々備わっている免疫でウイルスを撃退し、

治療しています。

 

 

では風邪の時は私たちが出来ることはないのか

 

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それでは風邪の時には、どのようにすれば早く治せるのでしょうか。

その方法としては以下の2つが考えられます。

 

1)直接ウイルスを攻撃する

2)ウイルスを倒すための免疫機能を高める

 

1)は今の西洋薬では、期待できません。

漢方薬であれば、「麻黄湯」が直接ウイルスを攻撃する作用がある

と考えられるという報告があるので可能かもしれません。

 

風邪の初期であれば、一度使用を検討してみると良いでしょう。

 

2)はこれも西洋薬では、効果は期待できません。

西洋薬以外でできることで言えば、よく寝て体を休めることです。

 

また病気になる前や、闘病による体力低下があれば、

漢方薬で免疫機能を高めたり、体力の回復を行う方法が有効です。

 

例えば、

補中益気湯や、十全大補湯、人参養栄湯などの薬が

有効であるとされています。

 

 

最後に

 

医学はまだまだ発展途上であり、

病気を根本的に治すことが難しいことが多いです。

 

そのため、

現代医学の主流である西洋医学だけで対応することが難しい状況が

頻繁に起きています。

 

幸い放っておけば、体が自然に治してくれることが多いので

多くの場合は時間が経てば問題になりません。

 

しかし実際に風邪になった時には辛い思いをします。

 

薬を飲むけれど思うように治らなかったり、

頑張って病院に行ったけれど「治療の必要性はない」と言われたりして

辛い思いをされることが多いと思います。

 

そのような時に一般に言われている風邪薬はどのような薬かを知り、

他に漢方薬などの対処方法を知っていると

少し安心できるのではないでしょうか。

 

今回は上記のような人たちのために、

あえて西洋薬の限界と、

その他の治療の可能性について書いてみました。

 

この記事が多くの人の闘病生活を楽にするための

一助になることを願っています。

 

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