Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【必見】胃カメラを飲むのが辛い人と、辛くない人の違い

 

 

はじめに

 

「以前に胃カメラの検査を受けて辛かった」

「胃カメラは辛いと聞いているので、受けたくない」

という方はいませんか?

 

40歳以上になると、大腸がんだけでなく、

胃がんになる頻度が急に多くなり始めます。

 

しかも、大腸がんより胃がんの方ががんの進行速度が速く、

胃カメラは一般的に1年に1回受けることが勧められています。

 

しかし中には

「胃カメラを受けるのが辛くて、とても1年に1回なんて受けてられない」

という方もいます。

 

一方で、「胃カメラなんて全く辛くない。余裕で1年に1回受けれます。」

という方もいます。

 

同じ人間のはずなのに、

一体何が違うのでしょうか。

 

今回は胃カメラを飲むのが辛い人と、辛くない人の違いについて

以下に書いていきます。

 

 

胃カメラを飲むのが辛い人

 

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胃カメラの検査が辛い理由。

それは以下によるものが挙げられます。

 

<検査を受ける側の要因>

・喉元の反射が強い。

・緊張して、肩や喉に力が入っている。

 

<検査を行う側の要因>

・カメラの操作が未熟。

 

以下で細かく見ていきます。

 

 

喉元の反射が強い

 

比較的大きな異物を飲み込む際には、異物を吐き出そうと防御反応が起こります。

胃カメラは飲んだ方が、結果的に病気から身を守れるのですが、

貴方の喉は胃カメラであろうとそれなりに大きな異物なので、

すんなりとは喉元を通してはくれません。

 

そして免疫反応の強さにも個人差があるように

喉元の防御反応の強さ(反射の強さ)にも個人差があります。

 

この反射が強い人は、

胃カメラが喉元を通過する時に吐き気が強くなり、

胃カメラを体から出そうと抵抗するので辛くなります。

 

反射を抑えるために喉に麻酔をしますが、

それでも反射が強い人は、

検査中常に反射がコントロールできない人がいます。

中には、検査を行うこと自体が難しい方もおられます。

 

この反射は一般に若い人ほど強く、

年をとるにつれて反射は弱くなります。

 

そのため、昔辛かった胃カメラも年をとったら、

受けるのがだいぶ楽になっていることがあります。

 

しかし高齢になるまで胃カメラの検査をしないのも危ないし、

高齢になっても反射があまり弱くならない場合もあります。

 

最近は眠たくなる薬を使って反射を抑えることができるので、

これを使用して

検査時の苦痛を減らすようにするのがお勧めです。

 

ただ薬を使用すると副作用として、

呼吸が弱くなることや血圧が低くなることあります。

 

通常は担当の看護師が観察しているので問題はないですが、

マンパワーが足りなくて

患者の安全を確保できるだけの人員が割けないような施設もあり、

眠たくなる薬の使用ができない施設もあります。

 

そうは言っても薬の使用が可能な施設が増えていますので、

事前に病院に確認すれば、

薬を使えってもらえる病院を比較的簡単にみつけることができます。

 

薬を使用するとほとんどの方は苦痛を感じずに検査が可能になりますので

是非試して見てください。

 

 

緊張して、肩や喉に力が入っている。

 

胃カメラの検査や胃カメラを行う人に対して不安を感じていると

自然と肩や喉に力が入ってしまいますよね。

 

これにより胃カメラは喉元を通りにくくなり、

苦痛を感じやすい状態になってしまいます。

 

そのため、医師や看護師はできるだけ患者さんがリラックスできるように

呼吸方法を説明したり、良好な関係を築くように務めています。

 

もちろん上手くいかないケースもあり、

その場合は、前述したように眠たくなる薬を使用することで

よりリラックスした状態で検査を受けることが可能になり、

苦痛の少ない検査が可能になります。

 

 

カメラの操作が未熟。

 

残念ながら、

胃カメラのトレーニングを十分に受けていない人も

胃カメラを行なっている事実があります。

 

1つは

新しい内視鏡医を育てるため。

 

もう1つは

患者さんの数に対して

胃カメラを行う医師が足りていないためです。

 

これは地域に関係なくあります。

継続的に安定した医療を提供するためには

仕方がないと考えられている面があります。

 

しかし貴方が検査が辛すぎて

胃カメラを飲むのを止めようと考えているとしたら、

一度主治医に相談してみて下さい。

 

検査を行う医師の技術が未熟なことによるものであれば、

一緒になって対策を考えてくれると思います。

 

また状況に応じて、鼻からのカメラにして見たり、

どうしても検査が辛い時には、検査を受ける間隔を長くしたり、

別の方法での対応を考えてくれると思います。

 

 

最後に

 

胃カメラを飲むのが辛くて、胃カメラを飲むのを諦めてしまった人へ。

 

何年か前とは違って、カメラの性能も上がり、

検査する医師の技術も全体的に上がっていて

眠たくなる薬も使えるようになって、

かなり楽に検査を受けれられるようになっています。

 

口から検査の方がよく観察ができますが、治療の際には口からの検査が必要ですが、

普段の検査は鼻からでも可能になっており、

口からの検査が辛いようであれば、鼻からの検査もできます。

 

この記事が、

胃カメラを受けたくない人や、辛くて受けるのを諦めてしまった人が

一人でも多く検査を受けれるようになり、

健康を維持して天寿を全うできる手助けになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

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