Doctor’s health log(内科医の視点)

総合病院の内科医師が実際の体験を通して健康回復・維持・増進の方法を紹介する雑記ブログ。

【重要】喫煙で得る苦しみ。失う10年。がんだけでなく、COPD、脳卒中、心筋梗塞など様々な病気を引き起こす。

 

 

はじめに

 

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Martin BüdenbenderによるPixabayからの画像

 

何となく

「カッコいいから」

「友人が吸っていたから」

などタバコを吸い始めた理由はあると思います。

 

「ではいつまで吸い続けますか?」

と聞くと、

 

「死ぬまで」

「病気になるまで」

 

と答えが返ってきます。

 

それでは、吸い続けると

どのような病気になり、

どのように死んでいく可能性が高くなるのでしょうか?

 

「それは、肺がんとか…。」

 

と微妙な答えが返ってきます。

 

つまり、意外に肺がん以外の病気は知られていない現状があります

 

喫煙している人をはじめ、その周囲の人も

喫煙者が喫煙を続けることによって

今後どのような人生を送ることになるのか。

 

そのことをしっかり知らなければ

タバコをやめたり、やめるように勧めることも難しいと思います。

 

そのため今回は

喫煙がどのような病気を引き起こすかについて書いていきます。

 

喫煙者はまず、この記事を通じて

喫煙を継続した未来をしっかりとイメージをして頂き、

今後も吸い続けるのか、やめるのかを

考えてみましょう。

 

また周囲の人たち(特に御家族)にも関わる問題になるので、

一緒に考えてみて下さい。

 

 

喫煙者数とそれに伴う死亡者数

 

日本人の喫煙率は、全体で18.2%。

男女別にみると、男性は約30%、約8%。

 

日本人の年間死亡者数は

能動喫煙によって約13万人、

受動喫煙によって約1万5千人

(肺がん、心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳卒中による死亡)

と推計されています。

 

受動喫煙によっても

上記のような死亡者の数がおられるのには驚かれているかもしれませんが、

このことについてはまた別の記事で書くことにします。

 

 

喫煙によって寿命が10年短くなる

 

1930年から50年間追跡した試験が海外からの報告もありますが、

年月を経ても喫煙によって約10年寿命が短くなることが変わらず言われています。

 

実際に日本の調査でも、

喫煙者は男性で約8年、女性で約10年寿命が短くなったと報告されています。

 

 

早期に禁煙すればするほど長生きしやすい

 

禁煙により生存確率が改善すること、

全体的な死亡率、肺がんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)によって

命を落とす確率が低下することが報告されています。

 

さらに早期に禁煙するほど、

命を落とす確率が低下すると報告されています。

 

 

「長生きなんてしなくて良い」という発言による現実逃避

 

「長生きをしなくて良い」だから

「タバコはやめません」という方がいます。

 

しかし、タバコをやめない場合に

どのような病気になって

どれだけ苦しい思いをする可能性があるか

知っていますか?

 

COPDの場合は、最終的には、

タバコを吸うどころか

空気が吸えなくなります。

 

脳卒中の場合には、寝たきりになることがあります。

 

このような体になると、

もはや本人だけの問題ではありません。

周囲の人の生活にも影響を与えます。

 

場合によっては、

介護のために周囲の人が仕事を辞めなければいけなくなることもあります。

 

なぜなら、体調が悪くなれば

人は周囲の支えなしでは生きていけないからです。

 

そのため、

苦しみに向き合う覚悟、周囲の人に迷惑をかける覚悟。

少なくともそれら全ての覚悟が

貴方と貴方の周囲の人にあってはじめて

「タバコをやめない」ことを主張できるのではないでしょうか。

 

 

最後に

 

タバコによる苦しみは

10年寿命が短くなることはもちろんですが、

このような数値だけの問題ではありません。

 

空気をまともに吸えなくなったり、痛みで苦しんだり、

家族が介護で苦しんだ結果

寿命が短くなるのです。

 

このことを

しっかりと考える必要があると思います。

 

病気で言えば、

何も肺がんなどのがんだけではありません。

COPDや心筋梗塞、脳卒中をはじめとして

多くの病気の原因となります。

 

特にCOPDになって、

「昔、タバコを吸わなければよかった」

「もっと早くタバコをやめればよかった」

と後悔されて人生を過ごす方は後を絶ちません。

 

これからタバコを吸おうと考えている人、

タバコを吸っている人、

タバコをやめようと考えている人、

 

是非これを機会に

タバコをやめませんか。

 

この記事が本人及び御家族にとって

禁煙の助けになることを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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